佐々マナビ

あなたは目の前に現れた女の子が、知り合いの「佐々マナビ」だと一目で分かった。


ピンク色の髪に瞳、そして地元で有名な学校の制服を着ているから、間違いない。


ちなみに、この佐々マナビは不審者が持っていた招待状の中で、

この誕生日パーティーの企画担当者

として記載があった人物だ。
だから「この招待状って、誰を招待するためのモノなの?」と声に出し、あなたは今まで抱えてきた疑問を、佐々マナビに聞いた。

…招待状の送り主に会えたのだから、知りたいことを聞くのは当然の行為である。あなたのとった行動は、間違っていない。

しかし、佐々マナビは

「それを言ったら面白みが無くなるから言えない。
代わりに今度、YouTubeで高評価を頂く方法を教えてあげるから
その質問にはノーコメント(答えません)ということで許してね」



などと言って、あなたの知りたいことを教えてくれない。

それでも、あなたは聴き続けた。
あなたが執拗に質問をするため、佐々マナビは…

「@っこ@っこにー!
わたし、みんなのアイドル、佐々マナビちゃん!!
マナビは…みんなのものだから、独り占めは……
だ・め・よ・!………
@こ!!」

とスゴく可愛い声を出しながら、独特のセリフとポーズを決めて、返答する。

そんな佐々マナビを、あなたは心の中で
「マナビ……質問に答える気ないな。
マナビが@ーズというアイドルの一人…
@澤にこのマネをする時は、いつもそうだ」
と思いながら、見つめていた。

だが、それでも諦めずに同じ質問をしながら、目的地を目指して、歩き出してから十数分が経った頃…

佐々マナビが突然
「見て、マッスル・フラワーよ」
と言って指差し
あなたは彼女の行動に思わず釣られてしまい、示された場所を見つめてしまった。


佐々マナビに指摘された場所を見ると、
そこは合掌造りの天上にあったメッセージが示す場所(あなたが向かっていた目的地)だという事実に、 あなたは気づく。

……同時に、この場所に来るまでの間
佐々マナビから

「あなたの知りたい情報」を
何も聞き出せなかった悔しさ

にも、気づいてしまった。