ネタバレ
あなたの肩を後ろから掴んだのは『佐々マナビ』である。
佐々マナビは、その体勢のまま
「あなたの誕生日に贈るプレゼントに決まっているでしょ!
二人とも、何日も前から、あなたの誕生日を祝うために、いろんな準備をして、今日を迎えたのよ。
…なんて言っている私も、そのために準備をしていた一人だから、感謝してよね。
佐々成増の銅像を動かしたり、この会場のセッティングをしたり、とにかく大変だったから、今日は思いっきり楽しんでいってね!
これから起きることは
100%中、200%の確率で楽しいから、
期待していてね!!
だって私…
この誕生日パーティーの企画担当者だからね!!!」
と、佐々ムツヒメと不審者の持つプレゼントと思われる物体と比べ
明らかに小さい四角形の箱を、強調しながら話し続ける。
そんな佐々マナビに対して、あなたは
「…もしかして
サンタクロースの格好をした不審者の落とした招待状を拾った場面から、
この場所にたどり着くまでの出来事は全て、
こんな自分の誕生日を演出するための『サプライズ』というか、
『ドッキリ』というか、そんなところで………………………
………………………………その、今日ここで、これから自分の誕生日を祝うための何かが始まる
なんて、ご都合主義のようなことが、今までの出来事の真相だと決めつけて、いいのかな?
もし、そうだったら良いんだけどね」
と控えめに、そして不安を抱きつつも、こうあって欲しい期待を込めて、自分の思いを声に出して、伝えた。
これまでの出来事と、今こうして目の前で起きている出来事を総合して考えたら、
あなたが声に出して伝えた考えが正しい気がする。
…ただし、それはあくまでも「あなた個人の願望」でしかない。
もし本当に願望通りだったら
最高だ
と、あなたが祈るような気持ちで、
あなたの周囲にいる3人を、それぞれ見渡した瞬間
「その通りで〜す。
ハッピーバースデー、お誕生日おめでと〜う」
というセリフを、大勢の人たちが一斉に言った声が、あなたの周囲に響き渡り、
真っ暗だった空間が急に明るくなると
パン、パパパパパ〜ん!!!
と軽快な音を立てながら、パーティーの必需品であるクラッカーが、花吹雪を撒き散らす。
クラッカーの音や数は、一つや二つといった数えられる量ではない。
数えきれないほど多くのクラッカーを持った大勢の人たちが、あなたの周囲に現れ
クラッカーを打ち鳴らしながら、笑顔で
「お誕生日おめでとう」
といって、あなたに賛辞を送っている。