良いね!といえるハナシ
第1話・自転車が好きな人に悪い人は、いない
その日、製作チームの一人が部屋の整理をしていたら、たまたま昔の広告が出てきた。
自転車店の広告としては一般的で、これといって珍しい記載がない広告で、部屋の整理をすること自体も、珍しい行為でも出来事でもない。
しかし、わざわざこの広告を無くさないように持っていたのには理由がありそうだ。
今回の「良いね!といえるハナシ」は、こうして始まった………
注意事項・上記の画像は製作チームが作ったイメージです。
そのため実在する施設では、ありません。
…広告を持っていた製作チームの一人こと
「ペダルさん(仮名)」
には、よく通う自転車屋があった。
その店は新装開店したばかりで来客が絶えず、店に用がない人でも店先を通りがかるときは、その賑やかさと楽しさが店の外まで漂ってきて、無視できずに…ついつい見てしまう。
注意事項・この画像の人物は製作チームが作ったイメージです。
そのため類似した人物が、万が一あなたの身近にいても、その方と上記の画像は、
全く関係ありません。
そんな、ある日のこと
店先を通りがかったペダルさんは、
聞きなれない怒号が、その自転車屋さんから聞こえてくる
ことに気づいた。
…ちなみに、この自転車屋さんの付近は人通りこそは有るものの、今回のような怒号や罵声の飛び交うような、危険地帯ではない。
だからこそペダルさんは、無視できなくなり店内の様子を見ることにした。
いつもなら賑やかさと楽しさに満ちている店内は、たった一人の人物の登場によって、
異様な雰囲気に包まれ
その…たった一人を除いて、全員が嫌な気持ちを身体中から表している。
この様子を見たペダルさんは
「店を間違えたのだろうか?」
と疑いたくなるような気持ちになり、念のため店の看板を見たけれど、
目の前にある店は、間違いなく
馴染みの自転車屋さんだ。
…そこでペダルさんは
たまたま隣にいた自転車屋の店員さんに事情を聞いた。
店員さんが言うには
「この店には毎週必ず、あの人が来て
怒号と罵声を浴びせていく、その人が来ると店にいた人たちは嫌がって、みんな店から出ていくので困っている。
しかも、この怒号と罵声を浴びせる人は、この店で自転車を買った顧客だから、強引に追い払うと問題になる。
本音を言うと追い払いたいけれど、新装開店したばかりで問題は起こしたくない。
店の評価が下がったら困るし、今後の客足にも影響が出そうだしね………」
といって、苦悩に満ちた表情をしながらペダルさんに、事情を明かす。
事情を知ったペダルさんは、店内で罵声と怒号を発する人物を、以後は
ドゴーさん(仮名)
呼称することにして、ドゴーさんに対し、どうすれば良いのか考え始める。
…この状況をペダルさん、放っておけなかったんですね。
ペダルさんが考えている最中でも、ドゴーさんの声は止まない。ドゴーさんの言葉は
「自転車なのに、自転車が勝手に動いてくれないぞ。自ら転げ動く車と書いて自転車なのに、これは間違っている」や
「広告のように指一本で押させるほど軽くないぞ!」とか、はたまた
「@ブライブ仕様のラッピングをした自転車を置いていないなんて、お前たちは@ブライブに失礼だぞ!!ちなみに、お気に入りは…」などなど、
ドゴーさんの罵声と怒号は、自転車に対しての「顧客として普通の意見やクレーム(苦情)」から逸脱していた。
そんなドゴーさんの発言の数々を聞いていたペダルさんは
「こいつは、ただ単に罵声と怒号を浴びせて、周囲が困るのを見て楽しむだけのヤツで、この店の店長さんや店員さんのように我慢していたら、バカを見るだけだ!」
と心の中で叫びながら、何らかの行動に出ようと動き出す。
注意事項・下記の画像はペダルさんの気持ちをイメージしたものです。
当時のペダルさんが武器を持っていたわけでは、ありません。